パンチ法について
メリット
自毛植毛のパンチ法は、移植部に穴を準備しておき、細いパイプ状の採取器具を用いて採取したドナー株を植え付ける方法です。
植毛に機材を使用する自動植毛法の草分け的な手法です。
作業が簡単で、複雑な調整などを行う必要がないので、熟練によってかなり時間的にも迅速に作業が可能です。
移植部は穴を形成するだけなので皮膚移植のような縫合といった作業も必要ありません。
デメリット
ドナーの採取は採取器具の特性から、精密さに欠ける欠点があります。
ドナーの毛髪組織にいちいち注意を払う事はないため、移植しても定着する確率が小さく、ロスの多い植毛法として、最近ではあまり用いられなくなりました。
精密を欠くことにより、当然の事ながら、術後の仕上がりも不自然になりやすいという指摘もあるようです。
パンチ・グラフト法は1960年代に普及した植毛技術で、傷跡が残り、植毛密度も低い反面、再手術を実施する際にも困難な問題があまりにも多くなるといった特徴があります。
その結果術後の仕上がりも生え際などの処理に適しておらず、後から毛髪の角度や向きを修正することも難しく、結果的にに仕上がりに不満の出る場合が多い方法です。
この方法は植毛のメッカ米国で盛んに用いられた経緯がありますが、数々の不便さから最初に普及がすたれたのも米国であったと言われています。
現在の自毛植毛では、基本部分の植毛を終えてから、術後段階的に細部のバランスを調整する仕上げをおこなって完成させる流れが主流です。
仕上げの部分に関しては、機械を使う施術は避け、微細な調整は手作業による植毛に優る方法は無いと考えられています。