レーザー自動植毛器について
メリット
レーザー自動植毛器は移植部に毛髪を受け付ける穿孔作業にレーザーを使用するものです。
従来から使用しているメスや針といった物理的な穿孔よりも均一で傷口も小さく周囲は荒れないので、出血も少ないという特徴を持つ方法です。
直接患部に接触しないので、皮膚の機械的な刺激も少なく、照射部は焼失した状態となりますので二次感染の心配も少ないと言えましょう。
デメリット
皮膚に焼きごてを当てた時と同様、穿孔後の経過も化膿が抑制され回復も良いのですが、ピンポイントレベルの毛細血の供給が絶たれやすく、組織が壊死して定着率が悪くなる場合もあります。
自動植毛器のパンチ・グラフト植毛によるレーザー植毛適用では、傷跡が残りやすく植毛密度も高くできないといった問題もあり、最終的な定着率を考慮するとメリットよりもデメリットの方が多く、最近ではあまり用いられる事が無い様です。
植毛する上での留意点
レーザーを使用する方法は本来美容整形の分野でムダ毛などの処理として使われたものです。
局部に医薬品などを注入する場合など微小なな穿孔を多数形成させる場合、作業の効率化からレーザーや超音波を用いるのですが、細胞などに与える影響はかなり大きなものになります。
レーザー照射による影響は皮下組織に対しても強度のダメージを与え毛髪組織は壊死して、以後再生もしないので、逆にその性質を応用して脱毛などの処理として使用される場合もあるのです。
自毛植毛の場合には限りあるドナーを採取し、如何に無駄ができないように定着されるかが最大の目的ですから、毛髪組織のダメージのリスクが高いレーザー法は、本来の目的にそぐわないリスクの多い方法であることを理解しておきましょう。